膀胱炎は女性の病気
なんとなくおしっこに行く回数が増え、排尿後も残った感じがする。しばらくすると排尿時に違和感や痛みが出現し、尿が濁ったり時に血尿が混じる。場合によっては尿道が焼けるように強く痛む。
このような症状が典型的な「膀胱炎」です。通常は発熱を伴いません。
血中の不要な水分や老廃物は腎で濾過されて尿になります。尿は腎から尿管を通って膀胱にたまり、ある程度の量になると膀胱が脳に「おしっこがたまったよ(尿意)」と信号を送り、僕たちはトイレに行くわけですね。
膀胱から外界への道は「尿道」です。おちんちんがない分、女性の尿道は短い。つまり外から黴菌が入ってきやすいわけです。
なので膀胱炎患者さんは殆どが女性です。
ただし、黴菌が膀胱に入ったら全員が膀胱炎になる訳ではありません。侵入した「菌が繁殖し、膀胱の壁にくっつき、そこでさらに炎症を起こして初めて「膀胱炎」が成立します。
(菌にとって)繁殖するためには「時間」「免疫力の弱さ」「菌の数」の三つの要素が必要になります。
「時間」その人がおしっこを我慢する習慣があるか。せっかく入ってもすぐ出されてしまえば繁殖できません。
「抵抗力」疲れていたり病み上がりだったり、糖尿病など免疫力が低下している状態だと菌はハッスルします。
「菌の数」大量に入れば強いですよね。性交渉や生理用品の扱い、排便後、拭く前に強くウォッシュレットを当てるなど、菌がたくさん入るチャンスが多い人に膀胱炎が多いです。
つまり「尿はなるべく我慢しない」「疲れやストレスは極力避ける(難しいけど)」「清潔を心がける」の三つが重要と考えます。
なってしまったら早めに泌尿器科を受診されて診断を受け(結石や腫瘍などが隠れていることもあります)、抗生剤の内服を中心にした治療を受けることをお勧めします。